
埼玉不動産の本川です。
窓口で時々いただくご相談です。「新聞やテレビで、高齢者は部屋を貸してもらえないと見た。自分は73歳だが、大丈夫だろうか」。
先に結論をお伝えします。借りられます。ただし「どの部屋でも」というわけではありません。この記事では、前半でお部屋を探すご本人・ご家族に向けて、後半で貸す側のオーナーさまに向けて、いま現場で起きていることを整理します。
なぜ断られることがあるのか
オーナーさまが心配しているのは、年齢そのものではありません。お部屋の中で倒れられたときに誰も気づけないこと、万一のあとにお荷物の片づけや契約の解約を誰に頼めばいいのか分からないこと、年金収入で家賃を払い続けられるか見通しが立たないこと。心配の中身は、だいたいこの三つに集約されます。実際、孤独死やお亡くなりになったあとの残置物の処理といった不安から、高齢の方の入居に慎重なオーナーさまは少なくありません。
そして、身も蓋もない話ですが、賃貸借契約は「貸す・貸さない」をオーナーさまが決める契約です。私たち不動産会社がどれだけご説明しても、オーナーさまが「今回は難しい」と判断されれば、それを覆すことはできません。
ですので、探し方としては「断られた理由を議論する」より「受け入れてくださる物件を探す」ほうが、はるかに早く着地します。
見守りサービスつきの保証会社という選択肢
ここ数年で大きく変わったのが、家賃保証会社です。従来は家賃を滞納したときに立て替える会社でしたが、最近は安否確認や見守りのサービスを組み合わせた会社が出てきました。お部屋にセンサーを置いて一定時間反応がなければ連絡が入る、定期的に電話や訪問で様子を確認する、といった仕組みです。
これはオーナーさまにとって、心配の一つ目と二つ目に直接効きます。そのため「この保証会社に加入していただけるなら、お貸しします」という条件つきでご入居が決まるケースが、実際に増えています。
お部屋探しの前に、緊急時のご連絡先、年金額が分かる書類、そしてご家族の中で誰が窓口になるかを決めておくと、話がぐっと前に進みやすくなります。
ここからはオーナー様向けです
国の制度も動いています。2024年に住宅セーフティネット法が改正され、2025年10月1日に施行されました。安否確認や見守りが付いた「居住サポート住宅」という枠組みが設けられ、そこにご入居される方については、認定を受けた家賃債務保証業者が家賃保証を原則引き受けることとされています。
つまり、方向としては「オーナーが一人で不安を抱える構図」から「保証会社や支援団体と分担する構図」への移行です。
そのうえで申し上げたいのは、高齢の入居希望者を受けるかどうかは、断るか受けるかの二択ではないということです。見守りつきの保証会社を必須にする、緊急連絡先を二名いただく、万一の際の手続きについてあらかじめ取り決めておく。条件を設計することで、リスクを抑えたまま入居者の層を広げられます。
単身世帯の増加を考えれば、この層を最初から外す運営は、中長期では空室リスクを自分で高めることにもなりかねません。
なお、残置物の取り扱いや契約の終了に関する具体的な取り決めは、個別の事情によって使える手段が変わります。実際に進める際は、弁護士や司法書士など専門家の確認を挟んでください。
ご相談ください
当社はさいたま市北区・宮原を中心に、住宅2,000戸超を管理しています。どのオーナー様がどういう条件なら前向きか、どの保証会社がどこまで対応できるかは、地域ごとに事情が異なります。
「高齢の親の部屋を探している」「所有物件で高齢の方の申し込みを受けたが判断に迷う」。どちらのお立場でも構いません。お気軽にお声がけください。
よくあるご質問
Q. 見守りサービスの費用は誰が負担するのですか。
A. 入居者の側が負担します。
多くの場合、保証料に含めて入居者側のご負担とする形が一般的ですが、オーナーさま負担で導入されるケースもあります。金額も内容もサービスによって幅がありますので、契約前に「何をどこまでやってくれるのか」を必ずご確認ください。
Q. 保証会社の審査に通らなかった場合、連帯保証人を立てれば入居できますか。
A. 難しいかもしれません。
保証会社の利用を必須としている物件では、連帯保証人がいても代わりにはならないことがほとんどです。ただし別の保証会社なら通る場合もありますので、一社で諦めず、扱いの違う会社を試す価値はあります。
Q. 一般の賃貸ではなく、サービス付き高齢者向け住宅を選んだほうがよいのでしょうか。
A. 日常生活がご自分でできる段階なら、一般の賃貸住宅で十分なことが多いです。
サービス付き高齢者向け住宅は安否確認や生活相談が前提として付く分、費用も上がります。今の生活で何に困っているかを起点に、必要な機能から逆算して選ぶのがおすすめです。
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