
埼玉不動産の本川です。
「最近、家賃相場は上がっているのか」にお答えする第二弾です。ニュースでは都心のマンション価格の高騰が繰り返し報じられていますが、さいたま市北区の賃貸はどうなのか。一般論ではなく、当社が実際に管理している物件のデータでお答えしたいと思います。
今回は、当社の管理物件で空室が出た際、新規にご契約をいただいた部屋の「平均賃料」を、直近4期分並べてみました。
直近4期分の推移
新規契約の平均賃料(当社管理物件)
※新規契約件数:52期248件、53期304件。既存入居者の賃料は含みません。

数字で並べると、次のようになります。
- 50期(2022年6月〜2023年5月):6.98万円
- 51期(2023年6月〜2024年5月):6.68万円
- 52期(2024年6月〜2025年5月):7.58万円
- 53期(2025年6月〜2026年5月):7.33万円
数字のポイント
- 4期の平均は約7.14万円
- 最も低い51期と最も高い52期の差は月0.9万円(約13%)
- 50期→53期で月3,500円ほど/年間4万2,000円ほど上昇
ただ、この数字をそのまま「家賃相場が5%上がった」と受け取っていただくのは、少し危険だと考えています。
平均賃料は「相場」そのものではありません
ここがいちばんお伝えしたいところです。
平均賃料とは、その1年間に動いた部屋の家賃を足して、件数で割った数字にすぎません。つまり、その年にどんな部屋が動いたかによって、相場が変わっていなくても上下します。
たとえば、たまたま築浅のファミリー向け2LDKの募集が重なった年は、平均は自然と上がります。逆に、築年数の経った単身向けワンルームの入れ替わりが多かった年は、同じ地域でも平均は下がります。部屋の広さ、築年数、駅からの距離、設備。これらの「中身の構成」が毎年少しずつ違うため、平均賃料は数字が跳ねやすいのです。
実際、当社の新規契約件数は52期が248件、53期が304件と、53期のほうが50件以上多くなっています。件数が増えれば、そのぶん幅広い価格帯の部屋が含まれます。53期に平均が0.25万円下がったのは、相場が下がったからというより、動いた部屋の顔ぶれが広がった影響が大きいと考えられます(あくまで当社データからの推測です)。
ですから、単年の上下に一喜一憂する必要はありません。4期を通してゆるやかに水準が切り上がっている、という大きな流れのほうが、判断の材料としては信頼できます。
オーナー様に見ていただきたい3つの視点
では、ご自身の物件について考えるとき、何を見ればよいのでしょうか。
① 「平均」ではなく、ご自身の物件の実績
エリア平均が上がっていても、築年数や設備が近隣の競合に見劣りしていれば、その物件だけ据え置き、あるいは値下げでしか決まらないことがあります。逆もまた同じです。比べるべきは、地域の平均ではなく、同じ駅・同じ間取り・同じ築年帯の「直接の競合」になります。
② 募集賃料ではなく、成約賃料
ポータルサイトに出ている金額は、あくまで「売り出し価格」です。実際にいくらで決まったかは、管理会社しか持っていないデータになります。当社が2,000戸を超える管理実績のなかで蓄積しているのは、この成約ベースの数字です。ご相談いただければ、お持ちの物件に近い条件の成約事例をお出しできます。
③ 空室期間まで含めて考える
月1,000円の値上げに成功しても、そのために空室が2か月延びれば、年間では確実にマイナスになります。賃料を上げるか、早く決めるか。この判断は、物件の残債やご家族の資金計画によっても最適解が変わります。
数字は、次の一手を決めるためにあります
賃料水準がゆるやかに切り上がっている局面は、オーナー様にとって、これまで先送りにしてきた判断に取り組みやすいタイミングでもあります。
設備の更新、原状回復の仕様の見直し、あるいは相続を見据えた資産の組み替え。いずれも、足元の収益が安定しているときのほうが、選択肢を広く持てます。
当社は創業から半世紀以上、さいたま市北区・宮原周辺という限られたエリアに絞って営業してきました。だからこそ、駅からの道のり、通学路の雰囲気、スーパーの品ぞろえといった、数字に出てこない要素まで含めてご説明できると考えています。
お持ちの物件の賃料が今の相場に合っているか、一度確認しておきたいという方は、お気軽にお声がけください。
よくあるご質問
Q. 賃料を上げたいのですが、入居中の方の家賃も値上げできますか。
A. 契約期間の途中で一方的に引き上げることは、原則としてできません。更新のタイミングで入居者様と協議のうえ合意をいただく、というのが基本的な進め方になります。ただ、長くお住まいの方への値上げ交渉は、退去につながるリスクと表裏一体です。空室になった場合の募集賃料と空室期間を試算したうえで、慎重にご判断いただくことをおすすめします。個別の契約内容によって取り得る対応が変わりますので、実際に進める際は弁護士など専門家への確認も含めてご相談ください。
Q. グラフの数字は、管理戸数全体の平均ということでしょうか。
A. いいえ、その期に新しくご契約をいただいた部屋だけの平均です。既にお住まいの方の家賃は含まれていません。そのため、市場の動きが比較的早く反映される数字である一方、その年に動いた部屋の構成に左右されやすい、という性質があります。
Q. 築年数が古い物件でも、賃料を維持する方法はありますか。
A. 築年数そのものは変えられませんが、決め手になる要素はほかにもあります。実務のうえで効果が出やすいのは、水回りの部分的な更新、宅配ボックスやインターネット無料といった設備の追加などです。いずれも費用がかかりますので、投じた金額が何年で回収できるかを試算したうえで判断されるのが安全です。
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